多点温度検層 JGS-1317 温度測定による方法

地下水の滲出深度、流動層深度の検出を行います。
多点温度検層
  • 最大の特徴は、孔内水位が無い場合でも地下水の滲出箇所がわかる点です。
  • トレーサーが熱であるので、環境に影響を与えません。
  • 流動層の大まかな幅と流速、グラフのパターンから被圧水の存在等が推定できます。
  • 孔内水位以浅に水位がない場合でも多点温度検層実施で判明した地下浅部の流動層を対象に、新たに浅い観測孔を設置すると、前回より上位に水位が形成されるケースもありました。
  • ケーシング挿入時やアルミガイド管、無孔管においても流動層が検出できます。
調査目的
  • 地下掘削における遮水壁の止水効果判定
  • 地すべり・山崩れ・斜面崩壊の地下水排出パイプ施工の深度位置選定
  • 地下水汚染箇所における地下水流動層の把握
  • 地下ダム・ため池等堤体の漏水箇所特定
  • 掘削工事に影響をおよぼす地下水流動層把握
  • 最終処分場内外地における地下水流動調査
多点温度検層の原理
多点温度検層概略図

多点温度検層概略図

多点温度検層の原理

多点温度検層の原理

自然状態の温度を測定した後、孔内を均一に昇温します。その後30分程度の温度差の回復状況を見ていきます。地下水が流動している箇所は自然の温度により早く近づいていきます。

実際の検層例
孔内水以浅・無孔管検出例

孔内水以浅・無孔管検出例

厚い流動層検出例

厚い流動層検出例

被圧水検出例

被圧水検出例

脈状の流動箇所検出例

脈状の流動箇所検出例

薬注前の検層例

薬注前の検層例

薬注後の検層例

薬注後の検層例

垂直多点温度計仕様
計器名多点温度検層機
測温体サーミスタ
分解能0.02℃
精度±0.1℃以内
測定温度0~60℃
点数50点(50cm毎)
センサー外径寸法25mm
センサー部長さ24.5mm
適用孔径30~100mm程度
流速測定範囲(m/sec)1.0×10-2 ~1.0×10-5
スクリーン開孔率無孔管でも検出可能
測定時間約1時間
測定限界深度105m
インターフェースUSB
パソコンWindows7以降
計測制御ソフトWindows専用