地下水の流動方向と流速を検出します。

- 多点温度検層で流動層を判定し、その深度で測定を実施します。測定に使用する調査孔の仕上げが重要となります。
調査目的
- 地下水汚染箇所における地下水流の方向・流速の把握
- 構造物建設(地下掘削)に伴う周辺への地下水影響調査
- 漏水箇所の地下水流の方向・流速の把握
- 潮の干満の影響における沿岸部方向・流速の把握
- 地すべり活動に影響する地下水流の方向・流速の把握
- 最終処分場内外地における地下水の方向・流速の把握
流向流速計の原理
流向流速計の構造
流向流速計の原理
観測孔の仕上げ
- 掘削方法:試験区間は清水掘削
- 洗浄方法:十分な洗浄が必要(揚水洗浄)
- 裸孔の場合:スクリーンの設置が必要
- スクリーンの場合:開孔率10%以上(流入阻害や細粒分の流入を抑えるフィルター材が必要)
温度差から流速を推定する
各センサー(8本)におけるヒーター加電前~加電中~断電後の温度変化です。初期温度とヒーター加電後の温度差から流速を推定します。
温度分布から流動方向を推定する
ある時刻における等温線図です。ヒーター側近の内周センサーの温度分布から流動方向を推定します。孔内への地下水流入によって、上流側センサーは低温、下流側は高温を示します。
流向流速計仕様(温度測定加熱式)
計器名 | 単孔式加熱型流向流速計 |
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測温体 | サーミスタ |
分解能 | 0.02℃ |
精度 | ±0.1℃以内 |
点数 | 内周8点 外周8点 |
センサー外径寸法 | 40mm |
センサー部長さ | 600mm |
適用孔径 | 50mm以上 |
流速測定範囲(m/sec) | 1.0×10-2 ~1.0×10-5 |
精度 流速 | ±5%以内 |
精度 流向 | ±22.5°以内 |
スクリーン開孔率 | 10%以上 |
測定時間 | 約1時間 |
方位の設定 | 内蔵型磁気式方位計 |
測定限界深度 | 85.0m |
インターフェース | USB |
パソコン | Windows7以降 |
計測制御ソフト | Windows専用 |